薬物乱用について

薬物乱用について

薬物乱用は、乱用者自身の精神や健康だけでなく、家庭内暴力などによる家庭の崩壊、殺人、傷害事件などにまで発展する危険性があり、 全てを破滅へと引きずり込むのです。

近年、薬物はさまざまな方法で密輸入され、少年・学生・主婦にまで、その魔の手を伸ばしています。

覚せい剤や麻薬等は、それを乱用する人間の精神や身体をボロボロにし、人間が人間としての生活を営むことをできなくするだけでなく、場合によっては死亡させることもあります。また、薬物乱用による幻覚、妄想が、殺人や放火等の凶悪な犯罪や交通事故を引き起こすなど、乱用者本人のみならず、周囲の人、さらには社会全体に対しても、取り返しのつかない被害を及ぼしかねないものです。

薬物乱用による心身への影響

乱用される薬物は身体のさまざまな器官に障害を引き起こします。特に脳への影響は大きく、幻覚や妄想、判断力の低下などをもたらします。

シンナーの場合

 脳:大脳の神経細胞の死滅による脳の萎縮、意識障害、記憶力低下、幻覚、妄想末梢神経:手足のふるえ、しびれ、麻痺

 眼:視神経がおかされる、眼底出血がおこる、視力低下、失明

 気管支・肺:粘膜がおかされ、線維化がおこる(せきが出る)

 肝臓:細胞の一部が死ぬ、食欲不振、黄疸、腹水

 食道・胃:胃粘膜がおかされ、出血する、胃痛、吐き気、おう吐

 腎臓:細胞の一部が死ぬ、タンパク尿

 骨髄:赤血球がつくられなくなる、貧血

 生殖器:萎縮、生理不順、生殖能力の低下

覚せい剤の場合

 精神障害:幻覚(幻聴、幻視、幻臭)妄想、フラッシュバック(再燃現象)

 瞳孔散大

 食欲抑制

 血圧上昇

 静脈炎

薬物乱用による心身への影響

薬物を注射で乱用する場合、各種の感染症(エイズ、肝炎など)の原因になります。

大麻では精子の異常が、コカインでは先天異常などの報告があり、妊娠、出産にも悪い影響があります。

薬物乱用の最も恐ろしい特徴は、何度も繰り返して摂取したくなる依存症を持っていることです。さらに覚せい剤などは、使用回数が増えるたびにそれまでと同じ量では効果が得られなくなる耐性という性質を持っています。

「1回だけ」と思って始めた人もこの性質により次第に慢性中毒へと移行していきます。

さまざまな弊害

薬物乱用に絡む犯罪は年々増加の傾向にあり、世界的に深刻な問題となっています。 アメリカを例に取ると、殺人は25分に1件、強盗は1分に1件の割で発生するなど 凶悪犯罪が急増していますが、そのうち6割が薬物絡みの乱用によるものといわれています。

薬物乱用は、精神に影響し、多幸感、爽快感、知覚の変容、幻覚などをもたらし、 使用量によっては直接死につながるほか、連用によって依存性を生じます。
「他人が自分の悪口を言っている」という妄想から、まったく見ず知らずの人を 刺殺するという事件などは、ほんの一例に過ぎません。 他にも、放火、監禁、傷害、薬物代ほしさからの窃盗事件などがあとを絶ちません。

薬物の恐ろしさはそれだけではありません。

注射器の不正利用によるエイズをはじめとする感染性の病気の拡大。
母親の麻薬乱用による、胎児への影響。幼児死亡率の上昇。
乱用をやめても様々なきっかけで精神障害を起こす、いわゆるフラッシュバック現象。
その他、麻薬乱用は様々な形で社会に弊害をもたらしているのです。

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