9月号(生涯学習委員会便り)
8/25(火)に佐世保地区の薬学講習会を開催しました。市薬の生涯教育研修会とは趣が異なり、栄養士の先生による栄養学をテーマにした演題で講演を行いましたが、多くの先生方にご参加頂き、その関心の高さに驚かされました。薬学とはちがう分野ではありますが、これからの薬剤師業務が食生活や生活習慣を含めた幅広い分野での患者ケアが期待されるところで、参加された先生方の薬剤師職能のスキルアップにつながれば幸いです。
さて、この薬学講習会は県薬が主催で毎年実施している事業です。県下6地区にて、前述のとおり幅広いテーマでの講演会を企画しており、来年度以降も継続されることが決まっております。JPALSのCLレベル5からレベル6への昇格試験について、まだ詳細は明らかになっておりませんが、プロフェッショナルスタンダード(PS)5分類からまんべんなく出題される予定とのことです。ご自身の自己学習の中で足りない分野を研修するにあたり、この薬学講習会を大いに活用されては如何でしょうか?土曜日の午後や日曜日に開催する事も多いので、佐世保以外の薬学講習会にも是非ご参加ください。開催が決まった場合には、今後市薬の生涯教育研修会の場でも皆様に案内をしたいと思います。
8月号(医療安全対策委員会便り)
最近食品の中に異物混入の話があると思います。この前もバイキング料理から銀歯が見つかった記事がありました。
私も日頃から分包した薬、粉薬に異物が入らないかと心配ではありましたが、ある日分包した薬の中に何かが入っていると薬剤師から指摘がありました。よりによって高額な薬で処方日数も56日。異物を取り除きますか?の返事にしばらく時間がかかったのも事実。薬剤師としては破棄処分して新しい薬を調剤して投薬するのが当然でしょうが、しばらく判断に時間がかかったのは経営者としての自分でした。このままではかなりの損失になってしまう。結局は破棄を指示しました。当然職員もビックリしたと思います。これを全部破棄していいのか?
しばらく、この薬を残したままにしていました。粉を均一にする為のヘラが欠けて混入したのだと思い、今まで使用していたヘラを全部新しいものに交換しました。数日して思ったことは、この時に薬剤師としての心を持てていたことにほっとしました。自分でもしっかりしなければと思う日々です。もう少しで患者さんに不利益を与えてしまったかもしれないと思うとゾッとします。
私達薬剤師には薬剤師倫理規定の中の(良心と自律)第2条で薬剤師は、常に自らを律し、良心と愛情をもって職能の発揮に努めるとなっています。規定にはずれなくて良かったと思います。それからしばらく経って、今朝、大塚製薬からイーケプラドライシロップの自主回収のお知らせが来ました。この時使用した薬の中に該当ロットがありましたのですぐに患者さんに連絡して残っていた50日の薬を交換させてもらいました。
この一連の当薬局異物事件がメーカー発表の異物とは断定出来ませんが今後も調剤ミスばかりに気を配るのでなく、異物混入にも注意して、安全な薬を患者様に提供していきたいと思います。
7月号(会営薬局運営委員会便り)
会営薬局では、今年の初めに、県薬からの委託事業で、糖尿病患者ではない方の健康チェックで、「HbA1cの測定」を行いました。“セルフ・メディケーション”の手助けを行う上でも一つの方向性を見出す事業ではないかと思います。方法は、血糖値が気になる方(糖尿病患者ではない)に、薬局で設定した測定場所(測定に必要な環境とスペース)と機器でHbA1cを測定していただきます。その結果、糖尿病の疑いがあれば受診勧奨を行うという一連の流れを実践していきます。
薬局の機能として、「受診勧奨」は元々ありますが、具体的な根拠を持っての勧奨は、対象となる方においても受診するきっかけになりうる有効な手段ではないかと思います。注意点としては、我々薬剤師は、診断をするのが目的ではありません。この事を十分理解し、対象となる方へのアドバイザーとしての役割を果たす事が重要だと思います。
昨今、「かかりつけ薬局」という言葉が表に出て来る機会が多くなりました。薬局に来店される方は、健康に多くの不安を抱えている方々です。その人達に、より良い方向性を提案し、不安を解消していく事は、「かかりつけ薬局」の第一歩ではないかと思います。薬剤師には、国民の健康に貢献する使命が付託されています。その事を実践していく上でも「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」の機能を発揮する事は、国民に対し、薬局や薬剤師を理解して頂く上でも大切な仕事ではないかと思います。
皆様の薬局でも、この事業を行いたい場合は、薬剤師会にご相談ください。実践的なアドバイスが出来ると思います。
6月号(医薬分業対策(薬薬連携)委員会便り)
薬歴未記載問題、無資格者による調剤などに関連する分業バッシング、薬剤師不要論に先生方は危機感を感じていますか?これまで進んできた「医薬分業」のあり方の是非を振り返り、今後10年間で大きな変革を迎える地域医療のなかで、薬局・薬剤師が責任を果たすべき課題を考え直しましょう。
ニュースの記事からですが、厚生労働省は、5月21日に開かれた規制改革会議の健康・医療ワーキンググループに、かかりつけ薬局の普及を促し、門前薬局からの移行を推進するため、調剤報酬を「抜本的に見直す」との考えを示した。複数の病院を受診する患者の服薬情報を一元的に管理し、医師と連携して残薬や重複投与を防ぐなど、かかりつけ薬局の機能をより明確化した上で、それぞれの機能を調剤報酬で評価。門前薬局の評価は適正化する。今後、中央社会保険医療協議会で具体的に検討し、2016年度改定以降、数回にわたる改定で対応する。厚労省は、過去数回の改定もこの方針に沿って進めてきたが、それでも“抜本的に見直す”という表現を用い、かかりつけ機能の評価をより強力に推進することにした。
厚労省は、「患者本位の医薬分業の実現に向け、患者にとって身近なところにある、かかりつけ薬局の機能を明確化すると共に、薬局全体の改革の方向性を検討する」との方針を打ち出した。
その上で、かかりつけ薬局を増やし、門前薬局からの移行を進めるための調剤報酬体系にシフトする考えを強調。具体例として、▽在宅での服薬管理・指導や24時間対応など、地域のチーム医療の一員として活躍する薬剤師への評価▽かかりつけ医と連携した服薬管理に対する評価▽処方薬の一元的・継続的管理に対する評価▽薬剤師の専門性を生かした後発品の使用促進に対する評価▽いわゆる門前薬局に対する評価の見直し――などを軸に、今後の中医協で検討する方針を示した。こうした報酬体系の見直しによって、患者の薬物療法の安全性・有効性が向上するほか、多剤・重複投薬の防止や残薬解消により、医療費の適正化につながるとした。
ただ、かかりつけ機能の評価と門前薬局の適正化は、過去数回にわたる報酬改定でも進められており、特に新しい内容は盛り込まれていない。今回、「調剤報酬を抜本的に見直す」との文言を盛り込んだことについて、厚労省は「従来の方向性をより明確にした上で、それを強力に進める」と説明した。
また、医薬分業の質を評価するため、適切な指標(疑義照会、在宅医療への参画など)を設定し、定期的な検証を実施しながら医薬分業を推進する方針も示した。
病院の中や敷地内への薬局開設を禁止している構造規制についても、かかりつけ薬局の移行を進めることに合わせ、「経営上の独立性」「患者の自由な薬局選択」を確保した上で、今後、中医協で検討するとした。
改めて薬局とは何を提供するところなのか考えましょう。薬剤師は「医療の担い手」として認識されているか、もう1度、次世代に必要な薬局像をイメージしましょう。国民の薬剤師に対する失いかけた信頼を取り戻しましょう。
平成27年5月号(社会保険委員会便り)
先日、九州厚生局より薬局内での患者さんのプライバシー保護に対しての薬局の対応について次のご意見をいただきました。
基準調剤加算1の施設基準(18)に「薬局の求められる機能とあるべき姿」の公表について(平成26年1月21日薬食総発0121第1号)の別添に掲げる機能について整備するよう努めること。特に次に掲げる機能について可能な限り整備するよう努めること。 薬学管理等の内容が他の患者に漏れ聞こえる場合があることを踏まえ、患者との会話ややりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有すること。 |
と明記してあり最近の指導の指摘事項にもなっています。特に基準調剤加算を算定しておられる薬局では指摘されるようですので留意してください。
今月(5月)20日、平成26年度社会保険指導者研修会の伝達講習会が県薬の主催で開催されます。その時にも最近の保険行政の動向や指導監査の状況についても時間を取って説明されますので各薬局にファックスで案内がすでに来ていると思いますが、多数のご出席をよろしくお願い致します。