令和元年12月号(会営薬局運営委員会便り)
9月下旬に全自動錠剤包装機を導入していただきました。今まではカセットが51個の錠剤散剤分包機だったのですが、カセットを作っていた薬剤の形が変わったり、一包化する処方の内容が変わっていったりで、既存のカセットでは対応できず手巻きをすることが多くなっていました。今回導入していただいた錠剤包装機は固定カセットが最大126個、いろんな錠剤に対応できるマルチカセットが4個付いたタイプですが、処方解析の結果や予算の都合上実際は固定カセット60個とマルチカセットになりました。導入時にはそのうちの必要と思われる30個程度のカセット作ってもらって、実際の業務をしながら更に必要なカセットを少しずつ増やしていっているような状況です。マルチカセットがあるおかげで手巻きは本当に減りました。ただマルチカセットも万能ではなく半錠や薬剤の大きさが極端に小さかったり大きかったりすると対応できません。半錠以外は自動で分包できるようにしたいと思っていましたが、マルチカセットで対応できない薬剤で固定のカセットを作るほどの頻度がないものについての手巻きはどうしても避けられないようです。すでに導入されている薬局でこうしたらいいよというアドバイスやご意見があれば教えていただけますと幸いです。また導入を検討中なので見学したいという方があればお知らせください。
それとお願いがもうひとつ。会営薬局では勤務していただける薬剤師を募集しています。パート、正社員を問いません。ご紹介いただける方がいらっしゃいましたら事務局までご一報ください。どうぞよろしくお願い致します。
最後にお盆のときは会員の皆様に会営薬局での勤務のご協力のお願いをしました。幸いご協力いただける先生がいらっしゃって業務を滞りなく行うことができました。本当に感謝しております。ありがとうございました。
令和元年11月号(医薬分業対策(薬薬連携)委員会便り)
平成30年度診療報酬改定において、医療機関の求めに応じて服薬情報の提供を行った場合の評価が拡充されました。また、医療機関と連携した保険薬局による減薬に係る取り組みの評価として、服用薬剤調整支援料が新設されましたが、処方医への減薬の提案は文書を用いることとなっています。地域包括ケアを進めていく上で、今まで以上に薬薬連携の強化を図っていくことは必須であると思われますし、保険薬局の薬剤師はトレーシングレポート(服薬情報提供文書)を積極的に活用し、薬物療法の有効性・安全性に必須な情報を医療機関へ情報提供していくことが望まれているものと思います。
先般、委員会から案内を致しましたが、佐世保市の広域病院(総合・労災・共済・中央)は、トレーシングレポートの送付先を薬剤部または薬剤科へ直接FAXするように運用を統一致しました。しかしながら、報告の件数はまだ少ないようです。薬剤師としての職能を発揮するためにも、トレーシングレポートにチャレンジしていきましょう。
*参考資料:服薬情報等提供料*
(問)服薬情報等提供料とは、どのような点数なのでしょうか。
(答)服薬情報等提供料は、患者の服用薬や服薬状況に関する情報を把握し、その情報を患者・その家族または処方医へ情報提供することで、医師の処方設計および患者の服薬の継続・中断の判断の参考とするなど、医師と連携した医薬品の適正使用の推進のための情報提供を評価したものです。
服薬情報提供料1 30点 ・保険医療機関の求めがあった場合(月1回)
服薬情報提供料2 20点 ・保険薬剤師が必要性を認めた場合(月1回) ・患者・家族等の求めがあった場合
〈平成30年版 保険調剤Q&A;P141、142〉
令和元年10月号(院外処方箋コーナー運営委員会便り)
『ピー、ヒョロロ〜〜』・・・日常の業務中に、あの独特な音が聞こえてきたら、皆さんその音に注意を払うのではないでしょうか。そうです、FAXが通信する際に発する音のことです。「処方箋が送られてくるのかな。調剤の準備をしよう。」とFAXに手を伸ばすことだろうと思います。私たち保険薬局においては身近な存在であるFAXですが、実は先進国のほとんどで“時代遅れ”とみられており、先進的なイメージがある日本人がいまだにFAXを使っていることを、海外メディアが不思議がっている事実をご存じでしょうか?米国では「骨董品」として国立スミソニアン博物館の展示に加わるほどの代物だそうです。
それでも、FAXがこれほどまでに日本人に利用されているのには、それ相当の理由があります。海外においても、FAXのメリットを、「電子メールとは異なり、法的な文書になる」点を評価しているそうです。日本では昔から「ハンコ」を重視する文化があることも、FAXを重宝する理由かもしれません。処方箋における医師の捺印も然りですね。また、電子メールはセキュリティをしっかりとしなければ、転送されてしまい、個人情報の漏洩に繋がります。FAXは1対1ですから、通信を間違えなければその心配はありません。そのような背景もあって、FAXは必要不可欠なツールとして利用されてきたように感じます。
しかし、時代は変わっていくものであり、厚生労働省では「電子処方箋」の本格運用を検討しているところです。近い将来には、急速に電子化の流れが進んで、医療機関から保険薬局への処方箋の流れも大きく変わっていくことも推測されます。そうなったら、『ピー、ヒョロロ〜〜』の音を聞くこともなくなっていくかも・・・・いや、アナログ人間からすれば、「まだまだFAXに頑張ってもらいたいなぁ。」と思う今日この頃でした。
令和元年9月号(社会保険委員会便り)
6/30(日)に開催されました県薬の社会保険講習会には、多くの方にご参加頂きました。この講習会は調剤報酬全般に対する知識の習得及び確認を目的として毎年実施しているものでありますが、調剤報酬算定における解釈は変わっていくものであります。疑義解釈等の通知を確認するなど、日々の忙しい業務の中でも調剤報酬に関して常にアンテナを張っておくことが大事だと思います。また、「Q&A」を確認しますと、調剤報酬の算定に関し、調剤報酬明細書の「摘要」欄にコメントを記載することの注意が多く記載されています。
それに関連した自家製剤加算の「Q&A」をご紹介します。
(問)錠剤を割線で半錠にするとき、その成分の半錠規格は薬価基準に収載されていないが、顆粒剤・散剤は収載されている場合は自家製剤加算は算定できないのか。
(答)算定できます。
その場合は、調剤報酬明細書の「処方」欄又は「摘要」欄に、「半錠」とした旨を記載してください。粉砕と判断されると、返戻されることになりますので、記載が必要です。
なお、自家製剤加算の算定に当たっては「処方」欄の記載内容からは加算理由が不明のときはその事由を「摘要」欄に記載することとあります。
(令和元年度社会保険講習会テキストP 74)
適正な調剤を実施したとしても、返戻を受けてしまうことは避けたいところだと思います。令和元年度社会保険講習会テキストのP200〜201に、調剤報酬明細書の「摘要」欄への記載事項等一覧が掲載されていますので、ご参照ください。