会長便り

令和2年8月号

 カミュ著「ペスト」を読んでみようと挑戦したもののまだ読破出来ずにいます。そこで、NHKのEテレ(教育テレビ)放送の「100分で名著」より少し引用させて頂きます。

 「不条理」の哲学を打ち出し影響を与えた作家カミュ(1913−1960)の「ペスト」は、突如ペストの猛威にさらされた都市が舞台。猛威を極めるペストの蔓延で、次々と罪なき人々が命を失っていく。その一方でその都市は感染防止のため外界から完全に遮断。医師達はこの極限状況に立ち向かっていくがあらゆる試みは挫折しペストの災禍は拡大の一途をたどる。後手に回り続ける行政の対応、厳しい状況から目をそらし現実逃避を続ける人々、増え続ける死者・・・。この作品が何より凄い所は、今いるそれぞれの現場で、私達が何を大事にして行動しなければならないのか、どんな声を上げて行かなければならないかを教えてくれる所です。「ペストと戦う唯一の方法は誠実さだ」と主人公は語ります。「自分の職務を果たす事だ」とも。今の私達が新型コロナ・ウイルスと戦うために必要なのは何よりもこの「誠実さ」ではないでしょうか。と、紹介されています。何かのヒントになれば・・・。

令和2年7月号

 いよいよ7月1日を迎えます。「レジ袋有料化」の始まりです。一部の会員さんから「薬剤師会として価格設定しないのか?」というお問い合わせも頂きました。当然のご質問と思います。しかし、日薬・県薬も示してはおらず、また各薬局原価は異なるかもしれません。会としての設定は決断できませんでした。私はこの一ヶ月、店内と私が投薬するカウンターにポスターを貼り、啓蒙してまいりました。既にマイバックや袋をお持ちの方は多くいらっしゃいます。お持ちではなくても6月中は「来月から有料が始まりますから・・・。」とお伝えすれば、ほとんどが理解して頂けます。しかし、7月になったら・・・、心配です。

 経済産業省では「これは、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えて頂き、私達のライフスタイルを見直すきっかけとする事を目的」と謳っています。もちろんこの考えには多いに賛同するものですが現場はなぁ・・・。

 私達のお客様(患者様)には在宅に伺う方もいます。バイオマス素材由来の袋も用意しつつ、支払ってでも、という方には趣旨をお伝えし、理解が深まるよう全国小売店での取り組みになるよう願います。

令和2年6月号

 私の大学の恩師が次のようなお手紙を送って下さいました。
 【禅の言葉に「香厳上樹(きょうげんじょうじゅ)」があります。これは「樹木に登って口で枝をくわえている状態で、手も足もでない絶体絶命のピンチの時こそ頭で物を考え、危機状況に立ち向かう」を意味しており、コロナウイルス感染症が問題になっている現在の状況に似ていると思われます。】
というものでした。調べると色々諸説あるようですが、人間は追い込まれた時、そこで苦悶し、“一変”または“転ずる”こと、これに至る道が修行だという事のようです。

 現在、皆様の努力、工夫で私達の周りから感染者を出すことなく業務が出来ている事を誇りに思い、警戒を怠らず進んでまいりましょう。お疲れ様です。

令和2年5月号

 ある業界の新聞よりの抜粋です。何か考え方の一助になれば。
『私達人間の根本に潜む自己中心性に思いをいたし、この様な時こそ、人と喜びや悲しみを分かち合う生き方が大切ではないでしょうか。本来大切な人との「つながり」が、今は安心感ではなく、不安をもたらすものとなっています。私達は「つながり」の本来的な意味とその大切さに気づいて行く必要があります。共に協力し合って生きる大切さを改めて認識し、感染拡大をくい止めることです。

 私という存在は、世界の人々との「つながり」の中で生きているからこそ、やがて、共にこの苦難を乗り越えた時、世界中の人々と喜びを分かち合えることでしょう。それぞれの立場において何が出来るかを考え、共に支え合い、力を合せる。誰もが安心して生活できる社会を取り戻す事が出来るよう精いっぱいのつとめを果たしてまいりましょう。』

 

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